ピアを利用して自閉症

ピアを利用して自閉症・その他の発達困難児を教える

原文:Joe McCleery
日本語訳:松田壮一郎

自閉症は限定された興味や常同的な行動ばかりでなく,社会,コミュニケーション,言語スキルなどの広範囲な困難によって特徴づけられる。多くのアセスメントは,大人-子ども間の相互作用における特色を同定する為に考案されてきたが,自閉症は,同年齢のピアと相互作用する際に困難が生じる,という点で最もよく理解される,というのが現実である。そのため,多くの自閉症児に対する臨床的・教育的介入がピアと離れて,大人によって適用されていることには,いささか驚く。もし自閉症児・者に対する私たちの目標が,うまくピアと相互作用し,コミュニケーションすることであるなら,そこでなぜ私たちは大人のセラピストと相互作用し,コミュニケーションすることを教えることに最初から専念するのだろうか?

ほとんどの自閉症介入が,大人を介する性質をもつことについての起源は,自閉症に対する効果的な介入の発展についての歴史の中で明らかになるだろう。1960年代から1970年代,アイヴァー・ロヴァースは,自閉症児の問題行動を減らし,認知・言語スキルを教える為,応用行動分析の原理を適用する為の方法を発展させた(1, 2)。これより前の時代,多くの自閉症児は“治療不可能”とか“教育不可能”とラベル付けされ,精神科やその他の療養施設に入れられた(3)。ロヴァースのアプローチは,大人主導の集中的な大人-子ども間の相互作用を用いて,学習を妨げる行動を取り除き,音声/言語や認知/学業スキルのブロックを積み上げることを子どもへ教えようとするものだった。当時,ロヴァースのアプローチにおける究極的な目的は,大人主導の早期集中介入を通して,実り多い統合教育における学業や対人関係にとって問題となるスキルやその他の障壁を減らす,もしくは取り除くことだった。

原則として,大人が社会,コミュニケーションスキルやその他のスキルを教える時とは異なり,ピアの利用はいくつかの必要性や目的を最終的に叶えるはずである。第一に,ピアへ用いる為に,大人と学習したスキルを移行する必要を,ピアによる直接教授は取り除く,もしくは減らす。第二に,教師として有用なピアを効果的に使用することは,最終的に教育スタッフの負担を軽減するかもしれない。第三に,ピアの利用は,自閉症児へ提供される1日の中での教育/学習機会の数を増やすことへ役立つかもしれない。最後に,活発な統合教育の環境や活動へ参加することによって,定型発達のピアは人格的にも,学業的にも利益を享受することを,科学的根拠が示している(例えば,4参照)ことを知っておくべきである。

自閉症介入の中でピアを用いることについて,研究は何を示しているのか?
1970年代後半から1980年代前半,何人かの研究者は,自閉症の学習者が社会・コミュニケーションスキルを改善させるための直接的な方法として,ピアの利用を探求し始めた。今日まで,ピアの利用について何十もの査読付き出版物があるが,その研究のほとんどが,2人か3人の子どもしか参加していない(レビュー論文5, 6参照)。例えば,Pierce and Schreibman (1995) は10歳の定型発達児2人にピア・セラピストを務めることを教え,およそ3歳の言語能力の,10歳の自閉症児2人へ社会,言語スキルを教えた。その為,研究者たちは30分のセッション4回に渡ってピアの教師へ教育的な教示を行った後,1か月に渡り,日々の自閉症児との10分間の遊びセッションの間,ピアへ直接的なフィードバックを行った(7)。このピアを介した介入により,自閉症児はより社会的な始発を行うようになり,その後のピアとの相互的な遊びセッションにおける発語も増加した(8も参照)。

今日までに,ペアを介した自閉症児への介入について実施された最も規模が大きく最もよく統制された研究のうち,Walton and Ingersoll (2012) は6名の定型発達児へ,相互模倣訓練(Reciprocal Imitation Training)を彼らの自閉症のある兄弟へ実施することを教えた。自閉症児は2-5歳で,定型発達の兄弟は8-13歳だった。15分-30分のセッション20回を10週間に渡って行う中で,研究者たちは1)子ども向けのミニマニュアル,2)大人-子どものロールプレイ相互作用,3)自閉症児への介入適用についての大人によるモデリング,4)自閉症児への介入適用時の,兄弟に対する直接フィードバック,5)介入室の壁にかけたポスター備忘録,を組み合わせて用い,兄弟を訓練した(9)。5つの異なる介入スキルが,フェーズごとに段階的に教えられた。この研究の知見は混合していた。兄弟の何人かは介入を構成する5つのスキルのうち,2つかそれ以上を適用しようと取組んだ。更に,自閉症児全員が模倣行動の増加を示したわけではなかった。大人による同様の介入適用により,非常によく似た自閉症児の模倣スキルは一貫して向上できると,いくつかの先行研究が示してきたことから(10, 11, 12),ピアによる介入効果が不充分であったのは,兄弟が介入構成要素を一貫して適用することに失敗したことによるものだったかもしれないと,これらの知見から示唆される。一方で,介入の結果,全ての自閉症児が相互作用スキルの増加を示した。この後者の知見は先行研究の結果と一致しており,社会・コミュニケーションの始発の増加は,ピアを介した自閉症児の介入おけるより強固な効果の一つであることが示唆される(6)。

ピアを介した介入が十分に影響する為には,ピアに求められる関わりの水準への期待が,適切かつ達成可能か保証することが,決定的に重要なことを,Walton and Ingersollによる研究は強調している。また複雑で,複数要素から成る介入を効果的に適用することをピアへ教える際に求められる,適度に高い水準の,準備と訓練従事時間を,Pierce and Schreibman(7, 8)とWalton and Ingersoll (2012) の研究プロトコルの強度は更に強調している。例えば,Walton and Ingersollは,子どもへ一つの介入要素スキルを教えることは,それより前に学習した介入スキルを適用し続けることを妨げる場合があるかもしれず,そしてそれは大人を訓練する際には観察されないことを述べている(9)。しかし,これらの難題に関わらず,現存する研究の科学的根拠の水準と性質は,ピアを介した介入が重要であり,かつ様々なスキルを自閉症児へ教えることについて効果を持ち得ることを示唆している(5, 6)。

ピアを教師として利用し始めるための良い方法は,短くてもうまい社会-コミュニケーション相互作用の比率を増やすことへ初期目標を定めた,比較的単純なレッスンを準備することだ。例えば,PECSユーザーの欲しいものをピアへ渡し,PECSユーザーの大人への自発的な要求を,“欲しいものと一緒の”ピアへ向けなおすことで,ピアに向けたコミュニケーションの生起頻度が増加することを,これまで行われたいくつかの研究が示してきた(13, 14, 15, 16)。この例では,最終的に2人の生徒の間での通常のコミュニケーション相互作用へなるよう、ピアの“教師”としての役割は軽減されている。つまり,ピアは生徒の欲しいものを保持する(絵カード交換によるコミュニケーションを引き受ける)よう教わり, そして生徒によって要求されたものを提供する。また,このタイプの相互作用は通常授業内での活動の一部になりうる。例えば,教師は“お菓子キャプテン”や“おもちゃキャプテン”の役割を生徒へ割り当て,もしくは子どもに順番交替させる。すると,生徒はものを配る係りになり,その他の生徒からの直接的なコミュニケーション/要求がそれに続く。

臨床実践で推奨されること
研究による科学的根拠は,自閉症と,重要な社会,コミュニケーション,その他のスキルの使用に発達的な困難を持つ子どもに対して,ピアを介した介入によりサポートできることを示唆している。また,研究はピアを教師として利用することについての,いくつかの問題点を強調している。例えば,ピアが適切に適用できる介入スキルを慎重に考慮・同定し,ピアがそれらの教育スキルを一貫して適用できることを確実にするための対策を施すことである。このトピックについてかなりの出版物があるにも関わらず,この領域の研究とピアを介した介入の発展は,いまだその初期段階にある。ここで,現実世界の文脈における問題点と研究に基づく我々の現在の理解のもと,ピアを介した介入を用いる為の現実的な手引きと提案を供する。

ピアを介した介入を用いるための手引きと提案
- 関連する全てについて比較的小さく,単純なピアによる教育プロジェクトから始める
- 初めのレッスンは自分自身の専門領域によく合致するものを選択する
- 学習者に増やしてほしいと望む,特定の行動スキルの上達を明確に定める
- 教える間,ピアに求められる特定の行動スキルの上達を明確に定める
- 最高のピア(スキル,特性,意欲,耐性,忍耐力)を同定し,募集する
- ピア教師として兄弟を利用することを考慮する。なぜなら研究は兄弟の利用がより効果的なことを示唆しているから
- ピア教師の両親へ,彼らの子どもの従事時間の程度と性質について知らせる
- ピア教師の両親へ,参加によってためになること,安全の保障について知らせる
- レッスン/活動を計画することや,ピアを訓練することに十分な時間を確保する
- 子どもの学習者への教育についての,直接的なフィードバックを訓練へ組み入れる
- 問題解決の為に,ピアによる適用適切性/正確性の基準を組み入れる
- ピア教師と学習者両方の安全と快適を保証するよう,計画する
- 一般的な参加に対する賞賛はもちろん,スキルに対する特定のポジティブなフィードバックをピアに与える
- ピア教師の様々な誤りへ対処できる計画を発展させる
- 時間をかけて教育のスキルと複雑性を増やすことを通じて,自信と適性を確立させる

現実的な目標,事前計画,段階的な進行で,生徒とピア教師にとって核となるコミュニケーションと社会的相互作用スキルを改善させる,有意義な進展があなたにもできる!!

引用

References
1. Edelson, S. M., Taubman, M. T., & Lovaas, O. I. (1983). Some social contexts of self-destructive behavior. Journal of Abnormal Child Psychology, 11(2), 299-311.

2. Lovaas, O. I. (1987). Behavioral treatment and normal educational and intellectual functioning in young autistic children. Journal of Consulting and Clinical Psychology, 55, 3-9.

3. Henninger, N. A., Taylor, J. L. (2013). Outcomes in adults with autism spectrum disorders: a historical perspective. Autism, 17(1), 103-116.

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8. Pierce, K., & Schreibman, L. (1997). Multiple peer use of pivotal response training to increase social behaviors of classmates with autism: results from trained and untrained peers. Journal of Applied Behavior Analysis, 30, 157-160.

9. Walton, K. M., & Ingersoll, B. R. (2012). Evaluation of a sibling-mediated imitation intervention for young children with autism. Journal of Positive Behavioral Intervention 14(4), 241-253.

10. Ingersoll, B. (2010). Brief Report: Pilot randomized controlled trial of Reciprocal Imitation Training for teaching elicited and spontaneous imitation to children with autism. Journal of Autism and Developmental Disorders, 40, 1154-1160.

11. Ingersoll, B., Lewis, E., & Kroman, E. (2007). Teaching the imitation and spontaneous use of descriptive gestures to young children with autism using a naturalistic behavioral intervention. Journal of Autism and Developmental Disorders, 37, 1446-1456.

12. Ingersoll, B. & Schreibman, L. (2006). Teaching reciprocal imitation skills to young children with autism using a naturalistic behavioral approach: Effects on language, pretend play, and joint attention. Journal of Autism and Developmental Disorders, 36, 487-505.

13. Garfinkle, A. N., & Schwartz, I. S. (1994). PECS with peers: Increasing social interaction in an integrated preschool. Paper presented at the meeting of The Association for the Severely Handicapped, San Francisco, CA, November.

14. Kodak, T., Paden, A., & Dickes, N. (2012). Training and Generalization of Peer-Directed Mands With Non-vocal Children With Autism. The Analysis of Verbal Behavior, 28, 119–124.

15. Paden, A. R., Kodak, T, Fisher, W. W., Gawley-Bullington, E. M., & Bouxsein, K. J. (2012). Teaching children with autism to engage in peer-directed mands using a picture exchange communication system. Journal of Applied Behavior Analysis, 45(2), 425–429.

16. Cannella-Malone, H. I., Fant, J. L., & Tullis, C. A. (2010). Using the Picture Exchange Communication System to Increase the social communication of two individuals with severe developmental disabilities. Journal of Developmental and Physical Disabilities, 22, 149–163.

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稀な遺伝的障害と自閉症教育・実践

 

稀な遺伝的障害と自閉症教育・実践

原文:Joe McCleery

日本語訳:松田壮一郎

自閉症が1943年にレオ・カナーによって初めに発見されて以来(1a, 1b),広範囲な研究がこれまで実施され,自閉症は遺伝的要因と環境的要因の複雑な組み合わせにより,引き起こされることが示されてきた(2)。例えば,ほぼ100%の遺伝子を共有している一卵性双生児と,約50%の遺伝子を共有している二卵性双生児を比較して自閉症の共起性を比べた研究結果は,遺伝的性質はおおよそ45%から65%のばらつきを持って,自閉症スペクトラム障害の発症原因となることを示唆している(3,4)。

 

特定の遺伝的要因について,今日までの科学的データは,自閉症の発症に対する遺伝的な寄与が,比較的多数の正常な遺伝子の正常な変異を受けたもの(すなわち,「一般変異」。2, 5, 6参照)であることを示唆している。環境的要因においては,自閉症リスクを増加させるかもしれない科学的データとして,例えば母親の妊娠中の抗てんかん薬であるバルブロ酸の服用(7),出生時の合併症(8),交通関連の大気汚染(9)やその他の要因などが挙げられている。しかし,今日までに確認された遺伝的リスク要因と環境的リスク要因両方の大多数において,個々の要因は自閉症を発達させる個人に対し非常に少ない寄与しかしない。加えて,自閉症発症へ寄与する遺伝的・環境的要因のほとんどが,いまだ同定されていない(2, 4, 5参照)。最後に,遺伝的・環境的要因の大多数は,自閉症発症に対し相互に影響し合うと,通常,推測されている(9a, 9b参照)。

 

自閉症の特徴を持つ遺伝的症候群

「普通の」自閉症発症へ寄与する複雑な遺伝的性質に加え,自閉症の診断を有することが一般的である遺伝性の症候群もまたある。これらの中には,脆弱性X症候群,レット症候群,Dup 15q症候群,結節性硬化症複合体,コルネリア・デ・ランゲ症候群に加え,ダウン症候群さえも含まれる。一般集団においては自閉症スペクトラム障害の割合がおよそ1%であることに比べ,これらの症状のいくつかにおいては,自閉症の割合が50%以上であることが推定されてきた(表1)。これらの遺伝性症候群それぞれは,特異な遺伝的原因を有し,自閉症が併存するかどうかに関わらず,身体的特徴,行動的特徴の両方,またはいずれか一方を伴う(表1)。遺伝的症候群と自閉症の共起は,個人と臨床家・教育者の両方へ,多くの更なる混乱と課題をもたらす。

 

自閉症と関連する遺伝的症候群の大多数は個別的にみると稀であるが,これらの症候群をまとめて考えると,わりあいに一般的である。例えば,脆弱性X症候群を引き起こす遺伝子変異は自閉症の約2~8 %に存在し(12),Dup 15q症候群を引き起こす遺伝子重複は自閉症の約1~3 %に存在することが推定されてきた。更に,自閉症を有することが一般的である遺伝的症候群においては,その多くが中度から重度の知的障害を伴う(表1)。このことは,これらの遺伝的症候群の多数が,中度から重度の知的・学習障害を有する自閉症者のサブグループにおいて,より多く見られることを意味する。結果的に,特異な遺伝的症候群を有するという事実をしばしば認識されないまま,これらの子どもたちの多くは,自閉症の専門家もしくは混合障害学級へ配置される。

 

遺伝的症候群を同定する意義

多くのこれらの遺伝的症候群者について多く認められる第一の特徴は,彼らの外的な容貌の違いである。例えば,脆弱性X症候群のある人は他の人に比べて長い顔・長い耳を有する。結節性硬化症複合体のある人は,肌に特徴的な発疹を示す。そして,コルネリア・デ・ランゲ症候群のある人は数多くの特徴的な顔貌を示すと共に,四肢の部分的な欠損を示すこともある(表1)。実際,多くのこれらの遺伝的症候群は一般的に,医学界において明確な身体的・行動的特徴の存在に基づき,診断を受ける。一方で,遺伝的症候群のうち,Dup 15q症候群のように,一貫した身体的特徴を示さないものもある。

 

これらの遺伝的症候群いずれかを個人が有しているかどうか,について考慮しなければならない,喫緊の臨床的・教育的な要因,そして地域支援に関連した要因がある。遺伝的症候群の存在を考慮し,同定しなければならない,最も切迫した理由はその特徴的な行動パターンと発達経路である(表1)。例えば,レット症候群のある人は,正中線で “手を揉む動作”を行い,それは年を経るにつれ段々と持続的になり,行動修正への抵抗が増していく。従って,臨床的・教育的な介入計画の中では,できる限り幼少期に,この問題について集中して取り組む必要があるだろう。また,その他の例として,結節性硬化症複合体のある人は,観察不可能な,内部器官にある結節・腫瘍による痛みをしばしば経験する。この痛みは攻撃的な行動を引き起こし,激化させる可能性が高い。結節性硬化症複合体においてよく見られる攻撃的な行動の,原因に対する評価と対応両方にとって,この情報は重要である。他の例としては,結節性硬化症複合体のある人々の遊び場面における特定的な障害や,Dup 15q症候群のある人々の活動過剰,クラインフェルター症候群のある人々の社会的衝動性と感情反応性,Phelan McDermid症候群のある人々の熱への不耐性,プラダー・ウィリー症候群のある人々の満たされない食欲などが含まれる。

 

遺伝的症候群の同定により,個人の介入やその他のニーズに対する理解が改善するだけでなく,非常に貴重な情報的・社会的サポートをその家族へ提供することが出来る。例えば,既知の遺伝的症候群のほとんどにおいては,情報を提供する支援組織や,また家族やピアによる支援組織が存在する(ページ下部参照)。これらの組織の多くは確立されていて,専門的に運営されており,臨床関連の情報や,支援への経路の提供,年次会議の開催などをしている。このような組織のいくつかは,遺伝的症候群のある人々の家族と,遺伝的症候群の人々の為に働く臨床家の両方,またはいずれか一方に対し,国際的なコミュニケーションと協働の為の直接的もしくは間接的なサポートも行っている。

 

臨床・教育実践における意味合い

上で述べたように,自閉症スペクトラム障害の診断が一般的である,遺伝的症候群はたくさんある。これらの症候群は個別的に見ると稀であるが,集約的に見た場合,自閉症スペクトラムや関連した障害の診断に基づいたサービスを受けている人々の中で,注目すべき割合を構成している。更に,これらの障害のうち,いくつかの障害のある人々は,中度から重度の知的障害を有する,自閉症者のサブグループやその他の特別支援のニーズとして表されている可能性が非常に高い。

遺伝的症候群のある人々は,自閉症専門のサービスを提供する学校・教室やクリニックに配置されることがしばしばであるが,これらの人々における自閉性症状と行動パターンやニーズは,重要な点で「普通の」自閉症の人々とは異なっている。遺伝的症候群のある人々は遺伝的条件に関連した身体的・行動的の両方,またはいずれか一方にさらなる問題を抱えていることがある。多くの場合,特定の遺伝的症候群の存在へ気付くことは,臨床家と教育者の双方にとって非常に有益な情報になるだろう。遺伝的症候群の同定は,個人に対する直接的な支援の意義と同じぐらいの価値を持つ。何故なら遺伝的症候群の同定により,人生が変わるような,家族に対する情報的支援とピアサボートを導けるからである。

 

原文:Joe McCleery

日本語訳:松田壮一郎

 

表1.  自閉症スペクトラム障害に関連する遺伝性の症候群の特徴

 

 

遺伝的症候群 推定有病率 自閉症スペクトラムの診断 知的障害 身体的特徴 行動特徴
脆弱性X症候群 男性:4000人に1人女性:8000人に1人 男性:20% – 50% がASD女性:1% – 3% がASD中度から重度の知的障害がある場合,ASDの診断がより一般的。2 % – 8 % の ASD 男児が脆弱性X症候群を有する。 軽度から最重度(女性の場合,約75 %の症例が軽度な知的障害のみを示す) 長い顔,大きく突き出た耳,低い筋緊張。

肌が白いことも一般的。

広い人見知り,少ないアイコンタクト(しかし年を経るにつれより親しみやすくなる),少ない社会的相互作用。自閉性障害や引きこもりの症状も年齢が増すにつれ増加する。過活動性や衝動性も一般的。
レット症候群 10,000人から22,000人に1人(ほとんどが女性) 自閉症様の行動がほとんどにおいて見られる。しかし,自閉症の様な社会的症状はたいてい一時的なもののみ。約18 %のレット症候群児が正しくレット症候群を有すると同定されるまでに自閉症と診断される。 ほぼ全員が進行性の運動・認知低下に伴う知的障害(一般的には重度)を有する。 頭部発育の遅れ,身体発育の遅れ,脊柱側弯,不整脈が一般的。寿命は40 -50 歳に短縮されることもある。 約6 – 18 ヶ月間の比較的通常の早期発達期間後の運動・認知能力の後退,筋緊張の低下,摂食困難,四肢動作の痙攣,正中線での“手もみ”,意図的な手の使用の消失,失語。痙攣,歩行能力の消失,不安,睡眠問題,呼吸困難も一般的。しばしば初期の後退期間に続き,社会化への興味が年齢に応じて増加する。
Dup 15q症候群 4,000人に1人 85% がASDと推定。Dup 15q症候群では男児・女児共にASDが一般的。  .  約1% – 3% の ASD が15q複製を有する。 ほとんどが早期発達と言語に遅れを示す。その多くにおいて知的・適応機能困難が持続する。 身体的特徴は一般的だが,特定的なものではない。平らな鼻梁(“団子鼻”),豊頬,長い人中,目の外側の皮下脂肪,引込んだ目,耳介低位と後ろ側へ回転した耳の両方もしくはいずれか,身体発育の遅れ,低筋緊張が一般的。 ほとんどが早期発達と言語に遅れを示す。その多くにおいて知的・適応機能困難が持続する。粗大・微細運動の遅れは一般的。発作性疾患とEEG異常も一般的。過活動性と睡眠問題も一般的。
結節性硬化症複合体 6,000 -11,400人に1人 35% – 45% がASD。  知的障害を伴う場合,ASDがより一般的。 45% が知的障害。(30% が最重度の知的障害) 脳を含めた器官全体に両性の腫瘍・結節が多くの症例で見られる。てんかん,永続的な皮膚発疹,皮膚結節と班の両方もしくはいずれか。網膜の障害も一般的。 攻撃行動,自傷行動,(発育から)痛みと不快感,頭痛,羞明。自閉症がない場合であっても,遊びスキルの全般的な困難が一般的。
コルネリア・デ・ランゲ症候群 10,000 – 40,000人に1人 32% – 67% がASD 軽度から重度の知的障害 低身長,平均以下の体重,小さい頭部が一般的。短く上向きの鼻,薄く下がった唇,ずんぐりした耳,長い睫毛,薄く真ん中でつながった眉毛。指,手,前腕の欠損を含む上肢の異常が一般的。胃食道逆流が非常に多くみられる。 自傷行動,強迫行動,不安,強迫性の傾向,注意障害,過活動性,衝動性が一般的。
ネコなき症候群 50,000人に1人 40% がASDと推定 重度から最重度の知的障害 小頭症,低出生体重,低筋緊張,離れた両目,耳介低位,小さい顎,丸い顔。高い心疾患リスク。 頻繁な高音での泣き。通常,言語行動は非言語行動に比べ影響を受ける。通常,表出言語は受容言語に比べ影響を受ける。過活動性,衝動性,自傷行動,攻撃行動,情動行動,モノに対する異常な執着,感覚過敏が一般的。
Angelman症候群 12,000 – 20,000人に1人 40% – 80% がASD。  最重度の知的障害を伴うASD 。 重度から最重度の知的障害 著しく白い肌,薄い色の髪が一般的。背骨の湾曲が一般的。成人はしばしば特徴的な顔を有する。 通常,頻繁に笑顔となり,笑い声をあげ,手を叩き,幸せで興奮した様子を示す。ほとんどが移動の困難,コミュニケーションスキルの障害,痙攣を示す。完全にあるいはほとんど音声言語はないことが一般的。過活動性,衝動性,短い注意持続時間,睡眠障害が一般的。水へ魅了されることが一般的。ASDの診断を受けた場合でさえも,Angelman症候群者はその他の自閉症者と異なり,社会的笑いや,他者へ表情を向けること,相互作用中に楽しみを共有すること,名前を呼ばれた際の反応,異常な興味や反復的な行動などに障害を示さない。
ダウン症候群 1,000人に1人 6% – 39%が ASDと推定。知的障害の程度が重いほど  ASD はより一般的。 約 80% が中度から最重度の知的障害を示す。 平板な顔,平板な鼻筋,吊り目,短い首,小さい耳,舌突出,低身長。ほとんどが低筋緊張を有する。約50 % が心疾患を有する。胃食道逆流が一般的。高い難聴や視覚的問題のリスク。高い睡眠時無呼吸のリスク。高いアルツハイマー病のリスク。 運動発達の遅れが一般的。注意の困難,強迫性の行動,頑固さやかんしゃくが一般的。感情の知覚や心の理論の困難が一般的。
チャージ症候群 8,500 – 12,000人に1人 15% – 50% がASD。 約 70% が軽度から重度の知的障害を示す。 ほとんどが片目,もしくは両目の組織に異常を有する。ほとんどが心臓奇形を有する。多くが,一般的に狭いか,塞がれた鼻孔を伴い,上気道の異常を有する。脳神経の異常,顔面神経麻痺,聴力障害が一般的。発育と発達の遅れ,生殖器の異常,耳の異常が一般的。四角い顔,張り出した額,張り出した鼻梁,平らな顔面中央,顔の非対称性が一般的。手や四肢の奇形が一般的。 広汎性のコミュニケーションと言語の困難が一般的。嚥下の問題,顔面神経麻痺,嗅覚の減少が一般的。
プラダー・ウィリー症候群 10,000 – 25,000人に1人 20% – 25% がASDと推定。 境界域から中度の知的障害。 張り出した鼻梁, 斜視(目はきちんと並んでいない),先細った指と小さい手足,脂肪過多,高くて狭い額,両端が下がった口,薄い上唇,  吊り目,低筋緊張,低身長が一般的。 満たされない食欲(と肥満),強迫的な行動(特に肌をつまむ行動),不安,低い活動水準が一般的。
クラインフェルター症候群 男性50,000人に1人(注:自閉症やその他の学習障害を伴わないクラインフェルター症候群の異型は男性500 – 1,000人に1人) 11% がASDと推定 一般的に知的機能は標準か標準未満。しかし,ほとんどがある程度の特別支援教育もしくは他の支援を必要とする。 テストステロンの不足,性成熟の遅れ,もしくは不全,乳房の未発達,少ない頭髪と体毛,不妊,生殖器の異常。 内気,引きこもり,社会不安,友人関係の困難,社会的衝動性,コミュニケーションの困難が一般的。表情や声から感情を同定することの困難,高いレベルでの感情的ストレスや感情反応性が一般的。感情的な刺激に反応する高い覚醒や,感情を引き起こす出来事があった際の,目を見ることの回避。
Phelan McDermid 症候群 不明だが,極めて稀。女性と男性の有病率は同程度。 おそらく 84% がASD 85% が中度から最重度の知的障害 大きく肉厚な手,団子鼻,長い睫毛,耳の奇形,薄い鱗状の足の指の爪が一般的。 音声言語が全くないか重度に遅れている。発汗の低下による過熱状態が一般的である。痛みへの強い耐性や低筋緊張が一般的である。耳や呼吸器の感染症が一般的である。胃食道の問題も一般的である。モノを口の中へ入れることや噛むことが一般的である。睡眠問題や発作活動も一般的である。通常,トイレット・トレーニングは特に困難である。

 

更なる情報とサポート

Fragile X Syndrome:  http://www.fragilex.org

Rett Syndrome:  https://www.rettsyndrome.org

Dup15q Syndrome:  http://www.dup15q.org

Tuberous Sclerosis Complex:  http://www.tsalliance.org

 Cornelia de Lange Syndrome:  http://www.cdlsusa.org

Cri du Chat Syndrome:  http://www.criduchat.org

 Angleman Syndrome:  http://www.angelman.org

 Down Syndrome:  http://www.ndss.org

 CHARGE Syndrome:  http://www.chargesyndrome.org

 Prader-Willi Syndrome:  http://www.pwsausa.org

 Klinefelter Syndrome:  http://www.klinefelter.org.uk

 Phelan McDermid Syndrome:  http://22q13.org/j15

 

引用

1. Kanner, L. (1943). Autistic disturbances of affective contact. Nervous Child, 217-250.

2. Stein, J. L., Parikshak, N. N., & Geschwind, D. H. (2013). Rare inherited variation in autism: beginning to see the forest and a few trees. Neuron, 77(2), 209-211.

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4. Stein, J., & Geschwind, D. Guest blog: Slicing the genetic pie. Simons Foundation Autism Research Initiative, April 5, 2013.

5. Insel, T. Director’s blog: The new genetics of autism – why environment matters. National Institutes of Mental Health, April 4, 2012.

6. Christensen, J., Gronberg, T. K., Sorensen, M. J., Schendel, D., Parner, E. T., Pedersen, L. H., & Vestergaard, M. (2013). Prenatal valproate exposure and risk for autism spectrum disorders and childhood autism. Journal of the American Medical Association, 309(16), 1696 – 1703.

7. Schieve, L. A., Tian, L. H., Baio, J., Rankin, K., Rosenberg, D., Wiggins, L., et al. (2014). Population attributable fractions for three perinatal risk factors for autism spectrum disorders, 2002 and 2008 autism and developmental disabilities monitoring network. Annals of Epidemiology, 24(4), 260 – 266.

8. Volk, H. E., Lurmann, F., Penfold, B., Hertz-Picciotto, I., & McConnell, R. Traffic related air pollution, particulate matter, and autism. Journal of the American Medical Association Psychiatry, 70(1), 71 – 77.

9. Hughes, V. Father’s age dictates rate of new mutations. Simons Foundation for Autism Research. August 23, 2012.

10. Kong, A., Frigge, M. L., Masson, G., Besenbacher, S., Sulem, P., et al. (2012). Rate of de novo mutations and the importance of father’s age to disease risk. Nature, 488(7412), 471 – 475.

11. Handel., A. E., & Ramagopalan, S. (2010). Is Lamarckian evolution relevant to medicine? BMC Medical Genetics, 11, 73 – 75.

12. Hagerman, R. J., & Harris, S. W. (2008). Autism profiles of males with Fragile X Syndrome. American Journal of Mental Retardation, 113(6), 427 – 438.

13. Moreno-De-Luca, D., Sanders, S. J., Willsey, A. J., Mulle, J. G., Lowe, J. K., Geschwind, D. H., State, M. W., Martin, C. L., & Ledbetter, D. H. (2013). Using large clinical data sets to infer pathogenicity for rare copy number variants in autism cohorts. Molecular Psychiatry, 18, 1090 – 1095.

 

 

 

 

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PECS幼児の研究

米国政府から資金提供を受けた研究が,PECSを用いた介入により,自閉症幼児の音声言語とコミュニケーションスキルが迅速に獲得されたことを報告する

 

質が高く,かつ実験的によく統制された,米国政府から資金提供を受けた研究は,6か月間の絵カード交換式コミュニケーションシステム(PECS; Picture Exchange Communication System Manual, 2nd Edition;1)に基づく介入により,ほとんど無発語,もしくはわずかな発語しかない自閉症幼児が,絵カード中心のコミュニケーションスキルを迅速に獲得したことを示した。加えて,PECS訓練を受けた子どものグループは,他の確立された介入プログラム,機軸反応訓練(PRT; Pivotal Response Training)による訓練を受けたグループと同程度に音声発話を獲得したことも示した。PRTは特に音声言語スキルを増加させるよう,デザインされたプログラムである。

 

2014年5月に刊行されたばかりのこの研究は,Journal of Autism and Developmental Disorders誌において早期介入研究の結果を報告しており,この研究へアメリカ国立精神衛生研究所(NIMH; National Institute of Mental Health)は1億円以上の資金提供をしている。この研究はカルフォルニア大学の研究者らによって実施され,自閉症スペクトラム障害と診断された幼児の音声言語とコミュニケーションスキルについて,2つの介入プログラム(PECSとPRT)の効果を調べ,比較する為にデザインされた。この研究を実施した自閉症介入研究者らは,これまでにもNIMHによる資金提供を受けて,PRTと保護者指導による訓練方法,両方の効果を25年以上に渡って発展・改善させてきた。

 

音声言語の獲得

この研究で研究者らは, 18か月児から47か月児の39名は自閉症スペクトラム障害の診断を有し,それぞれ10語以下の発語だったことを確認した。これら39名の子どもは無作為にPECSもしくはPRTによる訓練を受けるよう割り振られた。どちらの介入も,保護者指導と在宅支援の組み合わせによって運用され,全部で1週あたり約11時間,訓練を受けたセラピストによって実施された。結果は,PECSとPRTのグループ共に,子どもたちが介入期間中,統計的有意に音声言語を獲得したことを示し,音声言語獲得について2つのグループ間で違いはなかった(2)。全体的にみると,介入期間終了後,78%の子どもが10語以上の機能的な音声言語を獲得し,6か月間の介入期間中に獲得した音声単語数の平均は,PECSによる介入を受けた子どもたちで83語,PRTによる介入を受けた子どもたちでは71語だった(2)。広範囲な先行研究は,自閉症児の音声言語スキルを改善させることへ,PRTが効果的なことを示してきた。このことから,今回の新しい研究は,PECS訓練が自閉症児の為に確立されたその他の音声言語中心の介入と同様,音声言語の獲得をもたらすという,科学的根拠を示した。

 

コミュニケーションの獲得

両方の介入グループで,78%の子どもが10語以上の機能的な音声言語を介入期間終了後に話し,平均して約7 5語,介入期間中に音声言語を獲得した一方,残りの22%の子どもはそのような音声言語の獲得を示さなかった。しかし,PECS訓練を受けたグループのうち,一人を除く全員(95%)が,6か月の介入期間中に絵カードを用いたコミュニケーションを学習した。介入期間中における,2つのグループの中で音声発話を学習しなかった子どもたちのこのようなコミュニケーションについての結果の違いは,保護者の評定に影響を及ぼした。PECSを実施する方がより難しいと保護者が評定したにも関わらず,その評定をした保護者の全体的な満足度評定はPECSとPRTグループで同じだったからだ。

 

臨床実践への示唆

総合的にいうと,今回の研究結果は自閉症スペクトラム障害幼児の音声言語とコミュニケーションスキルを改善させる早期行動的介入手続きの効果について,必要不可欠な科学的根拠を示している。これまで,自閉症スペクトラム障害幼児を対象として,このような規模で,かつ質の高い介入研究が実施されることは非常に少なかった。これまでの実験的研究は,就学期の自閉症児に対し,科学的根拠に基づいた介入実践としてPECSとPRTを確立してきた(3,4)。しかし,今回の新しい研究結果は,自閉症スペクトラム障害幼児もまた, PECSとPRTに基づく介入により,音声言語とコミュニケーションスキルの著しい習熟を示すという,直接的な科学的根拠を提供している。加えて,多くのこれまでの自閉症介入研究とは異なり,今回の研究では介入が,参加した家族の家庭で直接的に実施された。このことは,PECSとPRT共に,現実世界のセッティングにおける運用について実践的かつ効果的である科学的根拠を示している。

 

実験的統制を目的とし,今回の研究を実施した研究者はPECSとPRTをそれぞれ分け,これら二つの確立された介入プログラムの効果を互いに比較した。しかし,PECSの開発者は一貫して,PECSによる介入を受けている子どもは,より大きな介入プログラムの一部として,別の音声言語中心の介入サービスも受けるべきだ,と述べている。今回の研究で観察された習熟は,平均して週11時間のPECSもしくはPRTの介入によりもたらされた一方,これまでの報告では,同様の集中度の介入が自閉症幼児に対して週20時間程度適用されてきたことを示している(5)。従って,無発語もしくはほとんど発語のない子どもに対し,PECSを核として,コミュニケーションと音声言語へ介入を週11時間実施し,PRTやその他の介入と融合して週9時間実施することは合理的だと考えられる。そうすれば,子どもの音声言語スキルが発達・改善するに従い,PRTを主な音声・コミュニケーション介入方法として用いる,音声言語中心のコミュニケーションへの移行が可能になる。このようにして,初めにPECSを用いることが,絵カード中心のコミュニケーションと音声言語スキルの迅速な発達を促進し,子どもの音声言語発達の進歩に対応したPRTの実施によってその発達が継続・維持される。

 

References

  1. Frost, L., & Bondy, A.(2002) The Picture Exchange Communication System Training Manual, 2nd Edition. Pyramid Educational Consultants, Inc.
  2. Schreibman, L., & Stahmer, A. C. (2014).  A Randomized Trial Comparison of the Effects of Verbal and Pictorial Naturalistic Communication Strategies on Spoken Language for Young Children with Autism.  Journal of Autism and Developmental Disorders, 44(5), 1244-51.
  3. Maglione M. A., Gans D., Das L., Timbie J., Kasari C.; Technical Expert Panel; HRSA Autism Intervention Research – Behavioral (AIR-B) Network.  (2012).  Nonmedical interventions for children with ASD:  recommended guidelines and further research needs.  Pediatrics, 130, Suppl 2, S169-78.
  4. Odom, S. L., Collett-Kingenberg, L., Rogers, S. J., & Hatton, D. D.  (2010). Evidence-Based Practices in Interventions for Children and Youth with Autism Spectrum Disorders.  Preventing School Failure: Alternative Education for Children and Youth, 54(4), 275-282.
  5. Boyd, B. A., Odom, S. L., Humphreys, B. P., & Sam, A. M.  (2010).  Infants and Toddlers With Autism Spectrum Disorder: Early Identification and Early Intervention.  Journal of Early Intervention, 32(2), 75-98.

 

 

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PECS 幼児の研究

 

日本語訳は、近日公開予定!

 

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